宮内庁楽部庁舎
宮内庁楽部庁舎
雅楽
雅楽は、古代アジア大陸諸国の音楽と舞が仏教文化の渡来と前後して日本に伝来した。これらと日本古来の御神楽や大和歌などが融合して、平安王朝文化の中で雅楽が完成した。そして、雅楽は神道や皇室に深いかかわりを持つ歌舞音曲となった。寛治7年(1093)白河天皇の春日神社御幸を描いた春日権現験記絵の正面奥で和琴、横笛、笏拍子、篳篥(ひちりき)を奏している5人の楽士が描かれている。
雅楽は、大宝元年(701)の大宝令で創設された雅楽寮に始まり、1300年以上も形を変える事もなく綿々と宮内庁式部職楽部に伝承されている。これまで宮中の儀式、饗宴、春秋の園遊会などの行事の際に演奏されている。
宮内庁楽部庁舎(東御苑本丸)
宮内庁楽部庁舎舞台
また、雅楽は現存する合奏音楽として、世界最古の芸術的価値を備え、重要無形文化財・世界無形遺産に指定されている。さらに、海外公演を行うなど世界から熱い注目を集めている。宮内庁では、広く一般に公開するため、東御苑の楽部庁舎において、毎年春季(文化団体・在日外交団)、秋季(一般参観公募)、それぞれ、3日間の雅楽演奏会が開催されている。
雅楽演奏会
大太鼓(火焔太鼓)
雅楽は、次の管弦・舞楽・歌謡で構成される。
管弦 管楽器「笙(しょう)」主に和音で演奏され、天から差し込む光を表す。
「龍笛(りゅうてき)」旋律を彩り、空を舞い立ち昇る龍を表す。
「篳篥(ひちりき)」主旋律を担い、地にこだまする人々の声を表す。
打楽器「鞨鼓(かっこ)」指揮者の役割をもち、台上の鼓太鼓の両面を2本の撥で打つ。
「鉦鼓(しょうこ)」拍子を示す役割をもち、2本の撥で金属製の鉦を打つ。
「楽太鼓(がくたいこ)」丸い枠に吊るした太鼓の片面を2本の撥で打ち、拍子や旋律の区切りを示す。
弦楽器
「楽琵琶(がくびわ)」
「楽筝(がくそう)
「和琴(わごん)」
舞楽
国風舞(くにぶりのまい) 日本古来の舞。
左方舞(さほうのまい)中国や東南アジア伝来のものが基
になっている。
右方舞(うほうのまい)朝鮮半島から伝来したものが基に
なっている。
歌謡
国風歌(くにぶりのうた)儀式用で日本古来の歌謡に基づ いたもの。
催馬楽(さいばら)平安時代の凡俗歌から発展した貴族が楽しむ歌曲。
朗 詠(ろうえい)平安時代に中国の漢詩にメロディ-を つけて歌われた。
by watkoi1952 | 2012-10-19 16:17 | 皇居の歴史景観 | Comments(0)